CPAの改善方法:クリエイティブで見直す順番と6つの施策
CPAが下がらないとき、「新しい訴求を試そう」と、次々にクリエイティブ(CR)を足していくことがよくあります。ところが、足しても足しても勝ちCRが出てこない。そういうときは、作る前に今の結果の読み方を見直した方が早いことが多いです。
この記事では、私がCPAの改善を頼まれたときに、クリエイティブで見直す順番を紹介します。例には架空の「ミールキットの定期便」を使います。
1. 「負け」と「検証未成立」を分ける
最初にやるのは、成果の悪いCRを2つに分けることです。
| 状態 | 扱い | |
|---|---|---|
| 負け | 配信量は十分に出て、CPAが基準を超えた | 止める。その訴求や表現は、いったん外す |
| 検証未成立 | 配信量がほとんど出ないまま、CVが0〜数件で終わった | 「訴求が悪い」とは判断しない。条件を変えて試し直す |
運用型広告では、媒体がCRに配信を割り振ります。新しいCRは、学習が進む前に配信が絞られてしまうことがあります。この状態のCRを「負け」として捨てると、本当は効く訴求を、試さないまま捨てることになります。
判定の前に、表示回数が十分に出ているかを必ず確かめます。
2. CTRとCVRに分けて、どこで止まっているかを見る
CPAが悪いCRは、CTR(広告がクリックされる割合)とCVR(クリックした人が申し込む割合)に分けて見ます。止まっている場所で、直すところが変わるからです。
| CTR/CVR | 起きていること | 直すところ |
|---|---|---|
| CTR 低い/CVR 高い | 中身は刺さるが、入口で素通りされている | 最初に目に入るコピーやビジュアル(ファーストビュー)だけを差し替える |
| CTR 高い/CVR 低い | 興味は引けているが、申し込みにつながらない | 広告とLPの訴求が合っているか。訴求が「共感」だけで止まっていないか |
| CTR 低い/CVR 低い | 訴求そのものが合っていない | 訴求を変える。ターゲットから見直す |
CTRが低くてCVRが高いCRは、捨てるのはもったいないCRです。訴求は残したまま、入口だけを変えて試し直します。
3. 「共感」で止まっている訴求を直す
CTRはそこそこあるのにCVが出ない訴求には、よくある型があります。課題を言い当てるだけで終わっているものです。
たとえば「毎日の献立、考えるのがつらくないですか?」というバナーは、共感は得られます。ただ、見た人は「わかる」と思うだけで、この商品で何が変わるのかまでは伝わりません。
直すときは、1枚の中で「共感」から「その負担を代わりに引き受けられること」まで見せます。
- 共感で止まる:「毎日の献立、考えるのがつらくないですか?」
- 負担の置き換えまで見せる:「献立を考える時間ごと、まかせていい。週3日分の夕食が、食材とレシピのセットで届く」
4. 配信先ごとに見る
同じCRでも、配信先(広告グループやターゲティング)によって成果が大きく変わることがあります。全体の数字だけで「このCRは弱い」と判断すると、ある配信先では勝っているCRを止めてしまいます。
CRの評価は、配信先ごとに分けて行います。
5. 新しい訴求は、勝ち型に載せて試す
勝ちCRとまったく違う新しい訴求を単体で出すと、前の手順1の「検証未成立」になりやすくなります。
そこで、新しい訴求は勝っているCRの型(レイアウトやオファーの見せ方)に載せて試します。たとえば、勝ちCRのメインコピーはそのままにして、新しい訴求をサブコピーに入れます。
こうすると、結果が良かったときに「勝因は訴求なのか、型なのか」を切り分けられます。
6. 勝ちCRは「変える点を1つ」にして増やす
勝ちCRが見つかったら、同じCRに予算を集中させるより、似たCRを増やす方が長持ちします。1本のCRは、配信を続けるうちに効果が落ちていくからです。
増やすときは、変える点を1つだけにします。構図、コピー、人物などのうち1つです。複数を同時に変えると、結果が良くても悪くても理由が分かりません。
色だけを変えたCRは、媒体から似たCRと見なされて、新しいCRとして扱われにくいことがあります。変えるなら構図など、見た目の違いが分かる要素にします。
判定の条件は、入稿する前に決める
最後に、次に作るCRの判定条件を、入稿する前に決めておきます。
- 先に見る指標:最初の1週間はCTRで、明らかに弱いCRを止める
- あとで見る指標:2週目にCPAで判定する。CVが少ないうちは判定しない
- 配信量の確保:新しいCRは、勝ちCRと同じ広告グループに入れない。最初は予算の下限を決め、一定の表示回数が出てから判定する
基準の数字は、商材と予算で変わります。大事なのは、チームで同じ条件を先に決めておくことです。判定ルールの決め方は、広告クリエイティブの検証の管理方法でも紹介しています。
まとめ
- 成果の悪いCRは、まず「負け」と「検証未成立」に分ける
- CTRとCVRのどこで止まっているかで、直すところを決める
- 「共感」で止まる訴求は、負担を代われることまで1枚で見せる
- 新しい訴求は勝ち型に載せて試し、勝ちCRは変える点を1つにして増やす
ぷらるでは、配信結果の読み解きから、次に作るクリエイティブの企画・制作までをお手伝いしています。「CRは足しているのにCPAが下がらない」という段階からご相談ください。